質量の起源と特殊相対性理論の否定
特殊相対性理論は「時間の伸び」と「距離の短縮」という概念を前提として作られ、受け入れ難い根底概念を持っている。しかし種々の物理現象が特殊相対性理論でもって説明されていて、幾つか列挙すると「エネルギーと質量の等価性」「原子の質量欠損」「速度増大による質量の増大」「水星軌道の近日点の移動」等ローレンツ変換を用いて説明されている。だが実際は具体的な「距離の短縮」の観測例も「時間の伸び」の直接的証明も成されてはいない。また本論中で説明されるがこれらの前提概念に従って推論を進めると幾つか矛盾する結論に達する。以上の状況から判断すれば、ここではフィゾーの実験式(水流中の光速度)、マイケルソン・モーレーの実験、コンプトン効果、質量とエネルギーの等価(E =mc2)、速度による質量の増大等をローレンツ変換を用いずに説明することが出来た。これらの説明の中で特にコンプトン効果の反跳電子の速度と運動量の関係を求める上で、光(電磁波)量子の概念と運動量保存則を満足させる為、電子(粒子)を波動の一形態ととらえて光(電磁波)と同等に扱う速度式を見つけた。この概念はいわゆる粒子・波動の二重性にも合致しかつ運動量とエネルギーが同じ物理量を意味していることを示し、また速度による質量増大をも説明しかつ運動量(またはエネルギー)の積の保存をも示している。また波動・空間・粒子速度との関係から電子(粒子)の質量の起源を示している。
質量の起源